2017年05月15日 カテゴリ:同僚・友人  コメント:(0)
1:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 15:50:45.65ID:gExy4Sja0
誰かに聞いて欲しい。
2:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 15:53:51.33ID:gExy4Sja0
俺はごく普通の家庭に生まれたごく普通の男だった。
小学生時代は、クラスで目立つこともなく、
特に友達がいるわけでもなく、
ただただ、学校に通っているだけの小学生時代でした。

俺の性格は基本的に無口でコミュ障、
6年間で誰かと話した記憶なんてほとんどない。

3:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 15:56:18.71 ID:tlj8L9hK0
いつのお話だい?

5:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 15:58:05.98ID:gExy4Sja0
>>3
現在22歳の俺が、
中学生だった頃から現在に至るまでの話です。
長くなりそうですがよかったら。

4:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 15:57:00.83ID:gExy4Sja0
そんな俺も中学生になった。
母と学ラン姿で写真とったのを今でも覚えてる。

いよいよ入学式。
中学に入ると何かが変わると思っていたけど、
もちろん自分から動かないと何も変わらないわけで。
自分を変えるためにも、部活に入ろうと思った。
そこで俺が選んだ部活はバスケ部だった。

7:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:02:26.20ID:gExy4Sja0
入部初日。
体操服に着替えながらめちゃくちゃドキドキしてた。
どんな人がいるんだろうとか、
友達できるかなとか、上手にやれるかなとか。

いよいよ1年生同士で顔合わせ
全員で8人くらいいた。
初心者も半分くらいいたから安心した。
そして一人ものすごくバスケが上手な人がいた。
彼のことは雅治と呼ぶことにする

6:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:01:22.77 ID:++zwZmtn0
DQNって本当にたまに良い奴いるから怖い

8:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:06:22.88ID:gExy4Sja0
>>6
人は見かけによらないって言葉は
僕みたいなのが作ったのかもしれないですね。


雅治はバスケの経験者で、先輩たちよりも上手かった。
顔は福山雅治を少し幼くした綺麗な顔立ち。
身長も一年生の中で頭一つ高くて、筋肉もすごかった。
そして雅治は、小学校時代から悪ガキだったらしい。
俺の通った中学校には、
2つの小学校から上がってくるんだけど、
雅治の通っていた小学校は悪ガキの多さで有名だったんだ。

そんな雅治を、俺はかっこいいと思い、
仲良くなってみたいと思った。

10:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:08:55.60ID:gExy4Sja0
でも、もちろん話しかける勇気なんてなかった。
雅治とは部活の時間しか会わなかったけど、
いつも同級生や先輩達に囲まれて楽しそうに話していた。

僕は部活内でもぼっちになった。
もちろんクラスでもぼっちだった。
中学校での孤独は、
小学校での孤独よりもずっとつらかった。

11:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:13:11.81ID:gExy4Sja0
僕は学校に行くのが嫌になっていた。
勉強もできないし、行く意味がないと思っていた。
でも毎日通った。部活もやめなかった。
僕は一向に上手くならなかった。
雅治はもう試合に出ていた。
神様は不公平だって毎日考えていた。

でも、学校を休むと母に心配かけてしまうと思い、
毎日学校に通った。
そんな生活が続き、僕は2年生になった。

12:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:18:46.39ID:gExy4Sja0
2年生にあがって、クラス替えがある。
僕にとってはどうでもいいイベントだ。
先生に言われた教室へと向かう。
ドアをあけると、既に生徒たちは騒いでいた。
その中に、雅治の姿があった。

雅治は楽しそうに話していた。
話している相手は清原と呼ぶ。
清原は雅治の幼馴染みで、
中学校に上がってすぐに3年生に喧嘩で勝ったという
学校一の不良だった。
喧嘩の強さもだが、スポーツも凄く、
ラグビーでは全国大会に出る程のチームの
スタメンだったらしい。

僕は静かに教室の隅の席に座った。

13:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:25:01.14ID:gExy4Sja0
周りのクラスメイトをみてみると、
どうやら学年の不良と
成績不振の生徒を集めたクラスみたいだ。
普通なら落ち込むところだが、俺は喜んだ。
もしかしたら雅治と仲良くなれるかもしれないと。


すると、誰かが話しかけてきた
「よう、>>1
急に声をかけられてびっくりした。
中学校に入って話しかけられたのは
初めてかもしれなかったから。
それに、声の主にも驚いたんだ。
話しかけてきたのは雅治だった。

雅治「お前成績悪いんか。一年間よろしくな。」
清原「誰?」
雅治「バスケ部の>>1ってやつ。仲良くしてやって。」

僕はドキドキして一言も声が出なかった。

16:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:29:41.31ID:gExy4Sja0
そして、クラスの班を決めるときのこと。
みんな続々と決まっていく中、
俺は誰に話しかけることもできず、
ただただボーッとしていた。

すると雅治は俺を誘ってくれた。
雅治「おい、俺の班こいよ。仕事しなくていいから楽だぜ」
俺は「は・・・うん」くらいしか言えなかった。
タメ口で言っちゃったよ、
殴られるんじゃないかとか思ったけど、
そんなことを気にしているのは俺だけである。

班には清原もいた。雅治と清原はいつもセットだった。

14:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:26:44.90 ID:1Dz+omb60
この後1はニートになるのか

18:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:35:30.49ID:gExy4Sja0
>>14
はい。

それからの中学校生活は、楽しかった。
俺が言葉を発する機会が増えたかといえば
そうではなかったが。
相変わらず一言も喋らない日が続いたが、
憧れていた雅治の学校生活を
間近でみることができて楽しかった。

わかったことは、まず雅治と清原は所謂DQNだった。
クラスメイトにはすぐ脅しの言葉をかけるし、
暴力もふるっていた。
時々他の中学校のDQNが学校に来て、二人と話していた。
その度に先生たちが走り回っていたのを覚えてる。

授業に出てないと思えば、
煙草の匂いをさせながら教室に戻ってきたり、
でも皆に愛されているのが僕にもわかった。

二人と過ごすうちに、
二人への憧れの思いは一層強くなった。

21:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:43:58.92ID:gExy4Sja0
雅治が話しかけてくれるようになってから、
バスケ部の練習も楽しくなった。
俺は相変わらず下手だったけど、楽しくて仕方なかった。

もちろん、楽しいなんて感情を
表に出すほどの雰囲気を持ち合わせていないので、
相変わらず無表情の無口な学校生活だった。


2年生の半ばには、修学旅行があった。
雅治と清原は、俺を修学旅行の班にも入れてくれた。

修学旅行は東京だった。
ディズニーランドでは、二人に連れられて
割り込みしまくりで待ち時間なんて無かったし、
日程がかぶっていた他校の生徒と喧嘩になったり。

自由行動では、
二人は学ランを脱いで私服に着替えて行動していたり、
煙草を吸っている所を警察に捕まって先生に怒られたり、
そのせいで自由行動の計画の半分もこなせなかったり。

でも、なんだか自分まで
アウトローの仲間入りしたようで
嬉しくてしかたなかった。

修学旅行の写真も買った。
家に帰って母親に写真を見せた。
俺が雅治と清原の二人に挟まれている写真だ。
母は「捕まった宇宙人みたいね」と言っていた。
泣いていたような気がした。

22:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:45:47.71 ID:PRMIjHna0
捕まった宇宙人wwwwwwwwwwwwwwwww

25:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:58:41.21ID:gExy4Sja0
>>22
自分でもそう思います。
でも、母は喜んでくれてた。

23:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:53:11.68ID:gExy4Sja0
修学旅行も終わり、俺は3年生になった。
クラス替えのとき、俺はかなり落ち込んでいたと思う。
でも、また二人と同じクラスになれた。
生まれて初めて、クラス替えで一喜一憂できた。

バスケ部は最後の大会にむけて、猛練習だった。
清原もラグビーの練習が大変そうだった。

そして夏。最後の大会が始まった。
雅治率いる俺のチームは、
雅治を中心にそこそこの結果を出してきた。
地区予選は敵なしのレベルだった。

母は「今日から最後の大会だね。見に行こうか?」
と言ってくれたが、
俺は「いい。今日は負けないから、
俺が出れるとしたら最後の試合だろうし、
その時見にきてよ」
と言うと、母はわかったと言ってた。

そして最後の大会、結果はまさかの予選負け。
敗因は3年になってスタメンになった同級生の暴走だろう。
みんなベンチで落ち込んでいた。僕はボーッとしていた。

暴走した同級生がはしゃいでいる。それに雅治がキレた。
「落ちこんでるやつもいるんだ!
はしゃぐなら外ではしゃげ!」
そう言っていた雅治の目は、潤んでいたようにも見えた。

僕はトイレにはいった。
そこで、中学生になって初めて泣いた。

25:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 16:58:41.21ID:gExy4Sja0
声を出さずに、たくさん泣いた。
もうこのメンバーでバスケができない悔しさ、
試合に出れなかった悔しさ、
試合を見たかったであろう母に嘘をついてしまった悲しさ。
一生分じゃないかというくらい泣いた。


外に出ると、顧問の先生がいた。
僕は頭を下げて通りすぎようとした時、
先生に呼び止められた。
そして、先生は一言
「試合に出してあげられなくて、申し訳なかった。」
とだけ言って、頭を下げていた。

僕は「ありがとうございました。」と言った。
また泣きそうだったから、上だけを向いていた。

26:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:03:53.84ID:gExy4Sja0
部活も引退して、学年全体が受験モードになった。
俺は高校に行く気がなく、勉強もしていなかった。
だって、二人も高校に行くと思ってなかったから。

しかし、ある日清原が聞いてきた。
「お前高校どうする?」
俺は二人はどうするのか聞いてみた。
雅治は県内でも有名なスポーツ強豪高、
清原はラグビーはしたくないと
一般受験で不良校を受けるらしい。

二人が高校に行くのにはびっくりしたが、
俺も行かなければと思い、一生懸命勉強した。

29:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:12:16.52ID:gExy4Sja0
年が明けたころ、3人は無事に高校に合格した。
みんなバラバラの高校だったから、
この二人と一緒にいられるのも
あと少しかと寂しくなっていた。

そして卒業式。
卒業証書を貰い、
教室に帰ると一人一人の一言タイムがあった。
雅治は先生にお礼をして謝っていた。
清原も先生に謝っていた。

俺はこういうのが苦手だった。
結局、3年間で会話らしい会話なんて全然してないし、
声も小さくて話すのが苦手だから。
でも、雅治と清原にお礼を言いたかった。
俺は自分なりに必タヒに大きな声を張り上げた。
顔は真っ赤だったと思う。

「雅治君、清原君、先生、ありがとうございました。」
とだけ言って、すぐさま席に戻った。
雅治と清原は、大きな拍手をしてくれた。

こうして、俺は中学校を卒業した。

31:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:16:43.69ID:gExy4Sja0
俺は家の近くの所謂底辺校に通うことになった。

友達できるかなとか、
中学校に入学したときとなにも変わってなかった。
なにかスポーツをしようと、
バドミントン部に入部した。
バスケ部もあったけど、
あのメンバー以外とバスケはできないと思ったから
入らなかった。

しかし、高校に入っても新しい友達はできなかった。

そして、高校に入学して半年程たったころ、
両親が離婚した。

32:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:18:23.73ID:gExy4Sja0
母は家を出て行った。
といっても、自転車で二時間くらいのところだが。
俺は父と父の両親と一緒に住むことになった。
ここから、俺の地獄がはじまった。

34:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:22:38.91ID:gExy4Sja0
まず、父は仕事のストレスからよく僕に暴力をふるった。
そして、僕が逃げようとすると、
それを押さえるのは父の両親なのだ。
父の両親に腕を掴まれ、僕は父に殴られる。
本当に怖かった。

そして、父はうちに住むなら生活費を入れろ。
と言い出した。
なので、コンビニで早朝のバイトを始めた。
バイト→学校→部活の生活は予想以上にきつかった。
部活が終わって家に帰れば地獄が待っていた。

母の元に逃げたかったが、心配をかけられないのと、
高校に通うためにそれは避けた。

35:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:24:50.00 ID:mThMax3E0
こんな展開は待ってなかった……

36:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:25:52.35ID:gExy4Sja0
そんな日が続いて、俺が2年生に上がった頃、
部活が終わり家に帰っていると、家の前に人がいた。
怖かったので目を合わせないように帰っていると、
「おい」と声をかけられた。懐かしい声だった。

声の主は雅治だった。清原もいる。
「お前、親父にいじめられてるんだろ?
ちょっと家に入るぞ」と言うと、
二人は俺の家に入っていった。

39:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:32:56.49ID:gExy4Sja0
俺は止めたけど、二人は聞かなかった。

二人は父と父の両親の前に座ると、父に話し始めた。
「親父さん、>>1を殴るのはやめてください」
父は、びっくりしていたが、
俺を殴っていることを認めなかった。
二人が色々言っていたが、
親父も、両親も、認める様子はなかった。

すると、清原が携帯をとりだし、
誰かに電話を始めた。
そして、その電話を父に渡すと、
父は部屋を出てしばらく話していた。

父が戻ってくると、俺の前に土下座して
「本当にすまんかった!」と言い、両親にも謝らせていた。
俺はどういうことかわからなかったけど、
親が子供に謝るのは嫌だったので、やめさせた。

その後、父は二度と暴力はしない、
バイトもやめてもいいと言って、この件は解決した。
雅治がご飯に行こうと言うので、
家を出た俺は、清原と雅治に話を聞いた。

40:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:37:27.35ID:gExy4Sja0
どうやら、母が助けのメールを
雅治と清原に送ってくれたらしいこと。

父の電話相手は児童保護センター?の人で、
清原の不良仲間に保護施設出身の人がいて
その人の紹介でいつでも電話に出てもらえるように
準備していたこと。

俺は嬉しくて、街中なのに思いっきり涙を流した。
はじめて人前で泣いた。二人は困っていた。
俺は、感謝をこめて二人に焼肉をおごった。
もちろん、その月の給料袋をにぎりしめて。
焼肉じゃ感謝の気持ちを伝えられないくらい
感謝しきれなかった。

41:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:42:25.34ID:gExy4Sja0
それから、俺はバイト代を使って携帯を買った。
母から雅治と清原のアドレスを聞いて、メールを送った。
返事が来るか緊張していたのを覚えてる。
二人はすぐに返事をしてくれた。
雅治は、毎週毎週俺に近況報告をするよう言ってきた。

そんなある日、
雅治と清原が高校を退学したと噂で聞いた。
二人が困っているかもしれないのに、
ヘタレな俺は二人に話を聞くこともできなかった。

そして2年生の2学期、転校生がやってきた。
長身爽やかイケメンの彼を、岡田と呼ぶことにします。

43:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:46:13.48ID:gExy4Sja0
岡田が教室に入ってきた瞬間、クラスの女子の目がかわった。
あー、現実にこんなイケメンがいるんだなーって思ってた。

先生が岡田の席は~って話してると、
岡田は何故かこっちに歩いてきた。
>>1君?俺、雅治の友達の岡田!よろしく!」
は、はいとしか言えなかった。

岡田は、前の高校で雅治とクラスメイトだったらしく、
一緒に退学になったようだった。
岡田は毎日俺に話しかけてくれた。
人気の岡田と一緒にいることで、
俺は少しずつクラスに馴染んでいった。

こんなに爽やかでかっこいいのに
不良なんだろうなーってずっと不思議だった。

42:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:42:26.65 ID:++zwZmtn0
母が雅治と清原のメアド持ってるってことか?

45:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:50:28.77ID:gExy4Sja0
>>42
そうです。
中学卒業の時に、
雅治と清原が俺の母に教えてたみたいです。

岡田のおかげで少しだけ楽しくなった高校生活も、
終わりが近づいてきた。

岡田は親の仕事を手伝うから大学にはいかないらしい。
俺は、地元のFランを受験した。
しかし、結果は失敗。
俺は宅浪することにした。

バイトをしながら、勉強をする生活。
高校時代よりずっと楽だった。
浪人の一年間、家族以外とは会話なんてなかったのが
すこし寂しかったが。

結果はまた受験失敗。
俺は、もうどうでもよくなっていた。

46:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:55:36.90ID:gExy4Sja0
人生どうでもいいやと思い、
浪人するって親には言って、
ニートも悪くないと思い、そんな生活が続いた。

バイトも辞め、貯金を使いながら
一日中2chかゲームか漫画の毎日。
夏が終わる頃、2年ぶりくらいに雅治からメールがきた。

「成人式は出るのか?」
俺のことを覚えててくれたことが嬉しかった。
けど、成人式には正直出たくなかった。
VIPじゃ成人式なんて糞みたいな言われようだし、
実際俺が言ってもぼっちになること間違いなしだし。

「ごめん。今の俺が行っても恥をかくだけだからやめとくよ」
と雅治に送ると、雅治は
「お前がそう言うなら仕方ないな」と言ってくれた。
これでいいんだと自分に言い聞かせた。

48:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 17:58:52.12ID:gExy4Sja0
それから1ヶ月たつた頃、母からメールがきた。
「せっかくだから成人式いってきたら?スーツ姿見たいな」

悩んだけど、スーツも買ってくれるらしいし
仕方なく行くことにした。

スーツってすごいのな。
顔さえ見なければかっこよく見えるもん。
母は喜んでくれた。
雅治にもやっぱり成人式に出ることをメールした。
返事はなかったけど、はやく成人式で会いたいと思った。

50:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:04:54.78ID:gExy4Sja0
そして成人式の当日。
朝、母と写真を撮って会場へ一人で出かけた。
人の多さにびっくりしながら、雅治と清原をさがした。
やっぱりあの二人は袴着てるのかなー
とか考えながら探すけど、全然見つからない。
じゃあスーツか?と考えて探すけどやっぱり見つからない。

諦め掛けてたとき、見たこたのある巨大な人影。
急いでかけよると、やはり清原だった。
清原は俺をみると、「久しぶり!」と
相変わらず元気な声をかけてくれた。
俺も頑張って話してみた。

俺「久しぶり」
清原「お前元気か?いまなにしてんだ?」
俺「ニ、ニート」
清原「お前ニートかよ、まあお前の人生だからな。」
俺「雅治君は?さがしてもいないんだ」
清原「・・・お前、聞いてなかった?」
俺「?」
清原「雅治はもういないよ。」

52:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:10:46.30 ID:/8WyTpK9O
>>50
おい!!!!
雅治どこやった!!!!




おい…

54:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:16:08.57ID:gExy4Sja0
俺「?????」

何を言ってる?と思った。意味がわからなかった。
会えないの?どこいったの?あれ?

口に出せないぶん、
頭の中の言葉は凄いスピードでぐちゃぐちゃ回る。


清原「バイク事故だ。夏の終わり頃だな。」
清原「病院についたときにはダメだったらしい。」
俺は信じられなかった。
嘘だと思った。けど、紛れもない真実。
はじめて俺に優しくしてくれたDQNはもういない。

それから、俺は清原から色々な雅治のことを聞いた。
雅治はお前のことを弟のように思っていた。
3年生に上がる時、中学の校長先生に
俺と雅治を同じクラスにするように頼みこんだこと。
他にもたくさんあった。

そして雅治が事故を起こした日は、
俺が成人式に出ないとメールした次の日だった。
雅治は、俺を成人式に出させるために、
うちに説得にいく途中で事故を起こした。

そして、雅治が持っていた荷物の中には、
>>1を成人式に出させるための最終兵器」
というネクタイが入っていたらしいこと。

俺は、二十歳にもなって泣いた。
成人式の会場の人ごみのなか、泣いた。
清原も泣いていた。袴姿で、強面の男が泣いていた。

そして、清原は俺に一言いった。
「お前がニートだなんて知ったら、
雅治も悲しむんじゃないか。」
「お前がひとり立ちできないようじゃ、
雅治もタヒんでもタヒにきれないよな。」

55:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:19:24.76 ID:t6jGy3o00
雅治…

56:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:21:39.03ID:gExy4Sja0
そして次の日から、
俺は清原の紹介で清原と一緒に土方で働いている。
コミュ力は相変わらずだけど、
学生時代に部活で鍛えた身体と清原のおかげで
なんとか続けられている。
安月給だけど、
一人で生きていけることを証明したいから。

今はまだ清原に頼っているけど、
雅治もきっと清原になら頼っても許してくれるだろう。


雅治、本当にありがとう。
お前は世間ではDQNと言われ、疎まれる存在だけど、
俺にとっては永遠の憧れで、永遠にヒーローだ。
ジョジョなんかより、ナルトなんかより、
ずっとずっとヒーローだ。
ありがとう。ありがとう。

57:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:21:44.95 ID:81866eehO
すごい鳥肌立った
雅治…

64:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:34:00.40ID:gExy4Sja0
>>57
ありがとうございました。

58:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:22:36.67ID:gExy4Sja0
終わりです。
長かったけどありがとうございました。

今日、雅治のお墓参りに行ってきたので、
誰かに話したくなってスレ立てました。

59:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:25:13.42 ID:/8WyTpK9O
>>58


雅治の分まで生きろよ

62:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:32:17.89ID:gExy4Sja0
>>59
ありがとうございます。
一生懸命働きます。

60:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:26:05.20 ID:WIEliOh6O
良い友達だな

63:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:33:24.56ID:gExy4Sja0
>>60
本当に。
二人に出会ってなかったら、
雅治が話しかけてくれなかったら、
今もニートだったと思います。

65:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:34:01.31 ID:jbXAXRuzO
がんばれよ

おれもがんばろう

66:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:36:51.52ID:gExy4Sja0
>>65
頑張りましょう。
人間、その気になれば頑張れます。

67:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:37:15.19 ID:lU2pfvca0
文字がぼやけやがる…

68:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:39:21.02ID:gExy4Sja0
>>67
ちゃんと目は休めてくださいねwww
ありがとうございました。

69:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:40:01.53 ID:QUJKtjliO
うわ マジか…
雅治良い奴すぎだな
最後まで
>>1のためにいろいろしてくれようとして…
お前幸せ者だな
雅治の分までイキロよ

71:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:41:10.69ID:gExy4Sja0
>>69
ほんとにいい奴でした。
たくさん助けられました。

73:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:46:43.89 ID:++zwZmtn0
いい奴に巡り会えて良かったな
これからも頑張れ

74:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 18:52:10.67ID:gExy4Sja0
>>73
頑張ります!

78:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 19:10:54.33 ID:LkrzjhoEO
間違っても
「俺があんとき成人式に出ないって言ってなかったら
雅治タヒぬこともなかったのに…。奴は俺のせいで…。」
とか思うなよ。
誰も悪くないんだよ。
しょうがない。

神や仏を信じるか信じないかは>>1の自由だけどさ、
自分責めるのは止めてくれよな。
まあ>>1は一生懸命生きてるから大丈夫だろうけど。
羨ましいよ。
つらかっただろうにいい話ありがとな。

81:名も無き被検体774号+2012/11/20(火) 20:12:30.47ID:gExy4Sja0
みんなありがとう。
ちょっとでも見てくれたら嬉しいです。

88:名も無き被検体774号+2012/11/21(水) 00:15:08.02 ID:cHNPlyML0
俺の心は汚れてるわ
あのメールをくれた次の日・・・のくだりで

あーはいはい、またそういうのね。
ちょっとは違う展開考えないと面白くないよ

とか一瞬思ってしまうわ。
この話が本当だと信じて、1乙

89:名も無き被検体774号+2012/11/21(水) 03:28:25.85ID:XpOQEUUD0
>>1です。
嘘みたいな話ですが全部本当で、
どうしようもない自分を救ってくれたヒーローは
たしかに存在しました。

91:名も無き被検体774号+2012/11/21(水) 08:37:59.45 ID:qGmyqVem0
そんな>>1は友達と休み時間とか
昼休みとかどんな会話してたの?
俺なんかちょっと不良っぽいだけでビビって
会話できない気がするんだが…

92:名も無き被検体774号+2012/11/21(水) 12:28:46.67ID:XpOQEUUD0
>>91
友達って雅治清原のこと?
会話というより、
二人の会話を聞いてるだけでしたwww
質問されたら答えてたけど、
いつまでたってもおどおどしながら答えてたと思う。

96:名も無き被検体774号+2012/11/21(水) 22:59:56.87 ID:vZhTjg0U0
おつ。
人間いつしぬかわかんねーんだよなー。
俺も今年の夏に親友がバイク事故でタヒんだんだ。つらかった。
そいつの分もしっかり生きよう。


引用元:http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1353394245/

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