そいつが昼休みにした
捨てられない手紙の話
とりあえずタバコ吸ったらかく
その中の一人Aが真剣な顔で相談に乗ってほしいって俺らに言ったことがあったんだわ
これ見てほしいって1枚の手紙出してきた
そいつ1回女がらみでトラブって俺らのネタにされてたから
またかよwwwwみたいな感じのノリで俺らみんなwktkしながら
グループの中の一人がその手紙音読しだした
どんな遊びをしてますか?友達はたくさんいますか?天気はいいですか?
私はただただ貴方が羨ましい
中盤までずっとこんな感じだった
実際手紙見たけど文章長すぎてこれはだるいわってなって全部音読者に任せた
かなりはしょってるけど実際はことあるごとに「羨ましい」の単語連発だった
○○ですか?貴方が羨ましい
○○はどうですか?貴方が羨ましいです
みたいな感じ
私は暗く狭い部屋の中でいつもひとり
寒くても寂しくても辛くても誰も助けてくれない声もかけてくれないずっとひとり
みたいな聞きたくもない内容がびっしりかかれてた
なんだこいつ入院でもしてんのか?とか思いながら正直俺もみんなも途中で飽きてた
手紙の最後は
いつかここから出られたらAくんは喜んでくれるよね?
だった
「何これ元カノ?」
「この女キモくね?wwwwww」
つまんない手紙だったけど一応ネタにしようとみんな盛り上がろうとしたんだわ
俺らのグループってかなり騒がしくてさ
何でもかんでもネタにしちゃうようなノリの集団だったから
でもAは深刻そうな顔してピクリとも笑わないの
あー・・こりゃ重症だわストーカーか?
とか思ってた
って聞くと
Aは
「知らない」
って答えた
は?ってなるよね
「だってAってお前のことだろ?」
A
「俺じゃないんだよ・・・」
あだ名でかいてあったんだ
例えば あつし なら あっちゃん
やすき なら やっくん
ぐらいのレベルのあだ名でさ
たしかにAの名前に通用するあだ名だったんだけど
そういうレベルのあだ名なわけだからいくらでもいる
だからこれは俺のことじゃない
とのことだった
俺らは
「ちょっと何言ってるかわかんないっす」状態で
Aから色々聞き出した
この手紙は誰かからもらった覚えはない拾った覚えもない
なぜ持ってるかはわからないけど小学4年の時点では確実にもってた
少なくとも今までに3度は捨てた記憶があるけどなぜかずっと残ってる
3度目なんて燃やしたぐらいなのに未だに残ってる
そのうち捨てたり燃やしたりしたのは夢だと思い込むようになり
捨てようとすることをやめた
ここまで聞いたところでみんなの目が輝きだした
あ、これ怖い話だ
「おいおいちょっとこれやばいんじゃないのwwwww」
「この手紙呪われてんじゃね?wwwwwww」
とか言って盛り上がってたらAがもう1枚手紙だした
「これ・・2通目・・・」
うれしいね!嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい
嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい
嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい
嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい
嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい
↑まじでびっしり終盤までかいてあった
全員一瞬で血の気が引いた
手紙の最後に
「次はAくんの番だね!」
て書いてあった
いやこれは捨てようぜってみんな苦笑いしながら言ってた
A「これ届いたの昨日なんだよ・・・」
え?だって小学生のころからあったんだろ?
A「だから2通目は昨日届いたんだよ」
いや、10年経ってから2通目届くとかおかしいだろ?意味わかんねって
A「意味わかんねぇのは俺だろおがああああああああ!!!!!」
Aマジギレだった
もっともらしいこと言ってその場は終わったけど
たぶんみんなこれ以上関わりたくないと思ってた
俺も正直まったく関わりたくなかった
Aはしばらくして学校こなくなった
聞いた話だと学校やめちゃったらしい
番号も変えられてて今Aがどうなってるかはわかんない
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