2021年07月26日 カテゴリ:その他  コメント:(0)


60 :拝啓、鬼女様 2020/12/08(火) 02:55:34 ID:H1E
母がサスペンス小説でころされる役になった話
フェイク満載なので、オチもないし検索してもヒットしません
あと、すっごくまぎらわしいので注意

30年も前のことで、インターネットも携帯電話も普及してない頃
母は当時というか今もフリー編集者をやっている
ある時、雑誌の企画でスポーツに関する特集をすることになって
母は何人かの、スポーツライターやスポーツ好きな作家に原稿を依頼した
ネットがないから、面識のないライターや作家に連絡するには
「日本ペンクラブ」や「日本文藝家協会」等の文筆業の名簿を使った
そしてスポーツライターの「佐藤一朗」(仮名)さんに原稿を依頼しようと
企画書と依頼状を郵便で送った


61 :拝啓、鬼女様 2020/12/08(火) 02:56:36 ID:H1E
数日後、母に電話がかかってきた
「作家の佐藤“一郎”(仮名)と申します
スポーツに関する原稿のご依頼をいただいたんですが
これは「佐藤一朗」さん宛てなのでは」

母が名簿を見間違えて
一郎さんに一朗さん宛ての依頼状を送ってしまったのだった

佐藤一郎さんは人気作家というよりマニアに深く愛される、サスペンス作家
母はサスペンスや推理ものに興味がないので、お名前を存じ上げなかった
(知ってたら一朗さんと間違えないよう、もっと注意していたはずだから)
あまりに失礼な失態に、母は電話のこっちで平謝り
一郎さんは笑って
「名簿を見間違えたんでしょ? よくあるんですよ、お気になさらず」
62 :拝啓、鬼女様 2020/12/08(火) 02:57:30 ID:H1E
その後は無事にスポーツの企画も終わり
(一朗さんも母の話に「よくあるんですよー」と笑っていたそうだ)
しばらくして、サスペンス作家の一郎さんから、母に
「働く女忄生を作品中に出したいので、取材させていただけないか」
という依頼があった
一郎さんは戦前のお生まれで真面目な人で
女忄生というと専業主婦のお母様と奥様しか知らないそうだ
しかしすでに時代は平成、新しい女忄生像も書きたいとのこと

母は結婚してて小学生の私もいたわけだが
それを言うと「主婦と仕事を両立させておられる!」と一郎さんは喜んで
「ぜひお嬢さん(私)からもお話をうかがいたい」
63 :拝啓、鬼女様 2020/12/08(火) 02:58:55 ID:H1E
なにせ知り合うきっかけが母の失態だから断れずというか断る理由もないので
母は私を連れて一郎さんに会いに行った
私はよく覚えてないが、品のいいお爺さんで、喫茶店でケーキをおごっていただいた

そして数年後、一郎さんから
「あの時うかがったお話を基に、新作が完成しました」
と、本が送られてきた
名簿じゃないけど書類の見間違い、間違った人へ送った手紙
子持ちの美人作家(これが母への取材を基に作った人物)
喫茶店でケーキのエピソードさえ、そのままではないけどうまく組み込まれていて
面白いなー、プロの作家ってすごいなーと思った
でも母は物語が始まった時点で早くも腐乱シタイにされてしまったので、不満そうだった
64 :拝啓、鬼女様 2020/12/08(火) 03:42:20 ID:Edy
> 腐乱シタイに
いや、それはそれでまあ何とも
お母様、モデルになって後世に残るのだしね

引用元:kohada.open2ch.net/test/read.cgi/kankon/1605853366/

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